自家製道具の紹介[ ケーン・マーバー ]

ご好評??につき、自家製道具の紹介 第2弾でございます。

 

「既製品と比べても遜色ない道具がお手軽な値段で自分で作れるよ。」

この部分はガラス工芸に関わっている人々に向けての内容となります。

それだけでも、十分にブログとしては意味があるのですが、

最近はそれ以上に、大切なことを発信してゆきたいなと思っています。

 

吹きガラスの事を詳しく知らない人が読んでも、グッと心惹かれる情報が

自家製道具の紹介にあるとするならば、

何なのか!!

考えてみました・・・・・

物を作って、販売する者としての宿命として

世の中に既に存在している製品に決して満足しない。

消費者としてではなく、生産者として生きてゆく気概を持つのである。ということです。

 

例え、グローバル企業が最先端の技術で革命的にスゴイ商品を発表しても、

あぁぁ、やられた!!俺の狙ってた肉、食われた。けしからんっ!ぷんぷん

俺なら、こうして、ああして、どうだー 次は負けん!!

くらいの危ういメンタルで10年くらい試作を続けると何かしらになるかもしれません。

ジェームズ・ダイソン氏も破産危機に直面しながら、5127台もの掃除機の試作(当初はダンボール製)を続けたことで、

サイクロン掃除機を発明して成功したので、ウソではありません。(ホントだよ。

 

そんな妄想で今回ご紹介するのが、「ケーン・マーバー」です。

ケーンという色棒を並べるための洗濯板みたいな板です。

販売されているものは、アルミか鋼材になります。

このケーン・マーバーなるものを、カーボン・セラミックという素材で作ってみました。

ダイヤモンド・ディスクで切断すると手が真っ黒になります。

カーボンですので、結構な黒さです。

そして同時にセラミックのようなカッチリした材質なので、

カーボンとセラミックの良さを併せ持った丈夫な素材です。

これなら、カセットコンロで熱を下から加えつつ、上からバーナーで炙っても

板とガラスが溶着することなく、使用できます。

熱伝導はすごく良さそうです。

カーボン・セラミックの板を切子制作で使用するディスクで溝を彫りました。

今回の制作の肝としては

太さの異なるケーンからレース棒(2mmから7mmくらい)までに対応できる

溝と間隔にしてあります。

棒が太くても加熱が十分にできるので、拾ってくれるはずです。

ブローが大きく入っている本体に対しても使用できるのが良いところ。

オリジナルの道具からオリジナルの表現につながるのが理想です。

ちょっと変わったレース柄の器ができたら、と思うとワクワクします。

 

 

 

 

 

 

 

 

自家製道具の紹介[ こて ]

これまで、吹きガラスの制作に必要な道具の数々を自分で作ってきました。

使用頻度の高いものから、それほど使わないものまで、旧ブログでは色々とご紹介してきましたが、

こちらのサイトに移ってからはまだ記事にしたことがないので、今後は少しずつ、増やしてゆきたいと思います。

吹きガラスの道具のほとんどが海外製ですので、税関などを通すと割高ですし、

欧米人の体型に合わせたサイズで作ってあるので、日本の女性には使い勝手が難しい部分があったりします。

 

それを、コストパフォーマンスの点でも申し分のない道具を自ら作ろうという企画です。

まずは、簡単な道具からいきます。

近所のホームセンターで購入した、硬そうな木材です。

300円くらい。

これに、たまたま道具箱の中で休眠していたアルミの棒と園芸用の縄をぐるぐる巻きにして

柄の部分を作り、合体しました。(ほとんど無料に近い材料費)

木材の長さと重さのバランスを考えてちょうど良い比重になるようにつなげました。

この辺は毎日使いながら、調整してゆきます。

木材の部分を使いやすい形状に刃物で削るのですが、

これがすごく硬くて刃が立たず、

結局、手での作業はあきらめて電動工具で加工しました。

一般家庭にはない道具を使用しての作業なので、

誰でも「ちょちょっと出来ちゃうよ」と言えません・・・・・残念

減点要素ですね。

最後はバーナーで炙って、表面を炭素化させます。

これで、出来上がりです。

器の飲み口などの仕上げに使用します。

制作時のガラスの温度は600℃~800℃くらいの高温ですので、

使っているうちに焼かれて短くなってゆくのですが、材料費がお手頃なので

気兼ねなく使い込めます。

柄は長めに作り足せば、長持ちしそうデス。

以上、自家製道具の紹介でした。

後日、生徒さんからの感想を載せるかもしれません。