先日、素敵なカップルが結婚式でご両親にプレゼントするためのワイングラスを当工房で制作をしました。
さらに、ワイングラスのフット部分にお互いのイニシャルと日付をサンドブラストで彫り込む作業を後日改めて行いました。
今回はその様子をお伝えします。
[作業内容]
まずはワイングラス底に既にカットが施してあるマスキング・シートを貼り付けます。
文字以外は完全にビニールテープなどで覆い、露出している部分を無くします。
マスキング・シートの上から圧縮した空気と砂を吹きつけガラスを削ることですりガラス状にします。
テープをはがし、きれいに洗浄すれば完成です。
作業そのものは簡単ですが、なめらかな曲線にカッチリとした文字が入るので、完成度がグッとアップします。
そもそも、ワイングラスを体験製作できる工房が他にあるのか??
詳しくは不明ですが、お客様のリクエストから手探り状態から初めて工房オープンから16年目、現在も進化を続けております。
おかげさまで、こちらからも様々な提案をさせていただくこともできるようになりました。
もちろん、既製品のように薄くカッチリとした造形にはなりませんが、自身の手で作り、感謝の気持ちをかたちにするということに、大きな意味があるのかもしれません。
式場でのセットプランで花束贈呈を組み込むと、3万円程度の予算になるそうです。
これをワイングラスに名前やメッセージを彫り込んで、桐箱に入れて、さらに梱包をして綺麗に仕上げても十分に予算内に収まり、しかもお釣りがでます。
もしかしたら、「自分らしく演出&コストダウン」という事例が増えれば、もっとたくさんのカップルが挑戦したいなと思う時代が来るかもしれません。
まさに「売り手良し、買い手良し、世間良し」のWinWin商品なのではないでしょうか。
近代までのライフスタイルの中には衣食住の家事全般に手先を使い、体を動かしながら物を作るという作業が多く含まれていたように思います。やがて、豊かさの限界を求めるあまりに仕事は細分化、分業化されて大量生産そして大量消費の時代へと推移してゆきました。
現代の都市生活では、その気になれば、一歩も家から出ずとも暮らしてゆけるほどのサービスが提供される便利な時代となりました。
しかし、一方では「自らの手を使って、作る喜び」を多くの人々が求め始めているような変化の兆しを感じます。
当工房では
生産者と消費者の溝を埋めて共に感動を分かち合う関係を築きたいという想いからお客様自身での制作のお手伝いにこれからも力を注いでゆきたいと思っています。