名誉お兄さん

最近は街を歩いていると、近所の小学生から手を振ってもらえたり、

指を差されたり(良い意味でだと・・・たぶん)するようになりました。

ぎこちなく、手を振ったりすると「笑顔が自然じゃない!!」などとダメ出しをされることも・・・・・

「芸能人かよ!!?」と心の中で反撃するも、子供相手なので爽やかな対応を心がけています。

これもひとえに、校外学習などを通じて、顔が知られるようになったことの証として光栄に思っております。

 

彼らには憧れの対象として輝いていなければならないと、勝手に使命感に燃えている今日この頃です。

「ねぇ、ねぇ、お兄さん~」などと声をかけられると、

「ムむ%#!きみは若いのに、なかなか見所があるな!」と調子に乗って余計な話をしてしまいます。

色々と大人の事情もあるんだよ~。

今後の日本の将来を担う可能性溢れる子供達には吹きガラスの

カッコよさ」と「感動」と「稼げる」の3つのKを身をもって示してあげたいなと思うのであります。

先日、小学2年生の皆さんから、たくさんのお礼のお手紙をもらいました。

これからもこの町のためにがんばってください。 」

というメッセージに目が止まりました。

「おう!!まかせておきたまえよ。」

この町の立派なガラス屋さんになるよ。

 

 

 

 

 

 

 

吹きガラス解説 [ポンテ]

もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対~♪

まだ、テレビで歌番組が全盛だった頃の話です。

「恋をしない」 X 「言わない」

2重否定=強い肯定ということで、またきっと「恋をする」という意味なのですが、

このフレーズを初めて聞いた時、

「ハぁ?こいつ何言ってんの?」というのが率直な感想でした。

当時の私にはこの歌詞が醸し出す奥深さに気付くにはまだ、若く

経験値が届いていなかったのでした。

~*~*~*~*~*~*~*~*

さて、「ポンテ」の話でしたね。

ポンテとはイタリア語で「橋」を意味し、吹きガラスでは吹き竿から別の竿に受け渡す作業のことを指します。

回転軸に対して器が前後逆転することで、作業範囲が変わります。

コップであれば、下半分の底面を作った後にポンテを取り、飲み口の加工にスイッチします。

赤く熱を帯びている部分がポンテです。

竿元のくびれた部分から切り離します。

吹きガラス体験教室では、ほとんどの皆さんがここでびっくりすることになります。

そして、教室の生徒さんの多くがこの作業に少なからず、トラウマを感じているのも事実です。

失敗があるとすれば、かなりの確率でこの場面で起きるからであります。

竿を叩いて振動を発生させて、くびれた部分に亀裂が入り、吹き竿から切り離すのですが、

同時にポンテの熱が冷めていると、ポンテも外れてしまって、器本体が床に落ちて割れてしまうことになります。

吹きガラスの世界では一瞬のタイミングの違いすら、失敗に繋がりますので、心臓にとてつもなく重い負荷がかかります。

 

ここで、恋の魔術に戻ります。

やっぱり失恋は、どんな手を使ってでも避けたいもの。

出来ることなら、2度と味わいたくない、嫌なものですよね。

どんなことがあっても、この恋はあきらめない!!

と強く誓ったとしましょう。

ここでダークフォースが発生します。

深層心理は否定形を認識しないからです。

do not ~

は顕在意識下では理解されるのですが、無意識下では意味を成さないのだそうです。

Don’t (never)give up! が>>>>

無意識では Give up に実際は翻訳されていたとすると・・・・・

恐ろしいことです。((((;゚д゚))))アワワワワ

逃げちゃだめだ・・・逃げちゃだめだ・・・

食べちゃだめだ・・・食べちゃだめだ・・・

なんという恐ろしさ。

「まんじゅう怖い」という古典落語があるほどです。

 

それでは、この現象を逆手にとってみたら、どうなるでしょう。

 

クリスマスにはあんたと二人でなんか過ごさないし、

イルミネーションを観ながら、手なんか繋いだりしないんだからね!!

なんという・・・・ツンデレ・・・・
惚れてしまうがな。

 

ポンテが苦手なあなた。

「細けぇ、ことはいいんだよ!」

「ポンテは、成功しない!!」

「真ん中なんかには付けかない!!絶対にだ!!」

叫んでみたら、もしかして上手くゆくかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7セブン・フェスタ

事後報告になってしまいます。

申し訳ありません。

8日土曜日に最寄り駅である、埼玉高速鉄道「南鳩ヶ谷」駅

地下コンコースで行われたハンドメイド マーケットに出展をしました。

なにぶんにも、普段は工房に引きこもって制作をしておりますので、

こうした場に出展するにあたって、参加に向けて様々な雑務に追われておりました。

子供向けの作品や新しい看板、展示に関わる備品の制作など、

開催日が近づくにつれて、必要なものがリストアップされて、追いつかない状況となりました。

それでも、直に地元の方と触れ合う場を得たことは大きな収穫でした。

 

用意したチラシのほとんどを手渡せたことで、

ウワサでは知っていたものの、今までは謎の施設でだった状態から、

身近なお店として認知されたことでしょう。たぶん・・・

 

これからも、地元密着型の経営を目指して、活動を続けていきたいと思っております。

 

 

吾輩はときどき猫である [その3 ]

ブログ読みましたよ。」

このような言葉を複数のお客様からいただきました。

もしかして・・・・続けていいんですかね?

このシリーズ。

勝手な妄想から始めてはおりますが、若干の支持があるということで、

勝手ながら、もうしばらく、続けさせていただきます。

 

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ビジネスの世界では

1匹の羊に率いられた100匹のライオンの群れと

1匹のライオンに率いられた100匹の羊の群れ が戦った場合

後者の方が勝つといわれております。

調べてみると

「私は一頭の羊に率いられたライオンの群れを恐れない。しかし一頭のライオンに率いられた羊の群れを恐れる」byアレクサンドロス3

一頭の羊に率いられた百頭の狼の群れは、一頭の狼に率いられた羊の群れに敗れる。byナポレオン

など、偉人の格言から派生した話のようです

 

ライオン??の話?なの・・・

唐突の例え話で、もしかしたら、読者の皆さんは困惑気味かもしれません。

 

今回はコスプレを語ると宣言しておりますので、なんとか

無理やりにでも、そっちの流れに盛っていきたいと画策している次第です♪

というわけで、強引に設定を変えて「実際は羊が着ぐるみを被っているライオンの将」

ということで話を進めてまいりましょう。

着ぐるみのクオリティー次第で、説得力が変わってしまう恐れもありますが

本物のライオンに対しては間違いなく、「ニセモノ」なわけですね。

それでも、着ぐるみのライオンで勝てるのか?疑問です。

 

勝敗の分けれ目は

ライオン・コスプレをどこまで本気でのか?

ゲージを大きく振り切る程の「自己肯定力の強さ」にかかっております。

 

「心」と「言葉」と「行動」を完全に一致させ、長期にわたり演じ続けた場合、

立派なライオン・コスプレという個性と社会的認知を獲得したことになります。

影響力という点ではそれはもはや、本物と大きな違いはありません。

 

くま○ん や ふ○っしー の中には当然ですが

どなたかが入っております。(異論は認めます。)

あなたが着ぐるみを被ったとしたら・・・

 

想像してみてください。

ごくごく、自然に

キャラクターが瞬時に変わるはずです。

恥じらいながらも、

楽しく、愉快に演じることが出来るのではないでしょうか。

 

日常的に、家庭や職場や学校など、時や場所、環境が変わることで自分を表す一人称が微妙に変化します。

「私」「僕」「わたくし」「俺」 等々

一人称が変化し、TPOによって使い分けるのは日本人独特の感性であり、世界的にも珍しい事例です。

 

ここが重要です。

アイデンティティーは常に普遍的で均一に保たれる必要はありません。

仕事上では責任が発生するかもしれませんが、プライベートではキャラ変更をしても、さして咎められることはないでしょう。

組織でのわずらわしい人間関係のもつれを忘れようとすれば、するほど、

不眠の夜は続き、不安と恐れからアドレナリンが分泌されて、負の記憶がさらに強化されるそうです。

忘れたいのに、忘れられない。

そんな、慢性的なストレスの連鎖から開放されるために、

お気に入りのコスチュームで身を包み

別人格になってしまうことで、

こころをもみほぐし

浮世を忘れるというのも、現代人の智恵なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吾輩はときどき猫である [その2 ]

ブログ記事を連載&シリーズ化するつもりで「その1」と銘打ったものの,

新シリーズばかりで「その2」はどうした?の?と感じていた方がいたかもしれません。

お待たせしました!!待望の「ときどき猫その2」でございます。

(新しくサイトを立ち上げて、初めてコメントが付きましたので少し浮かれております。)

 

さて、前回はどんな話だったかと言いますと「最適解が支配する近未来への対応策を提案するよ~

と息巻いておりました。

さらに、解決のヒントは日本古来の伝統文化にあるべし!!請うご期待でござるよ。

と煽りまくったところで終わりました。

なんか、徳川埋蔵金伝説で穴掘り続けている怪しいオジサンみたいですが、

まあ、半分騙されたつもりで、しばしお付き合いください。

では、よろしくお願いします。

 

昨夜はハロウィンでしたね。渋谷の街はコスプレをした若者で大賑わいで

痴漢や窃盗など、あまり良い報道がされませんでしたが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。

何か良く分からないうちにイベントとして担がれて、騒ぎたいヤツらが集団でやりたい放題やっているといったイメージでしょうか。

現在ではバレンタインデーに匹敵する経済効果があるそうなので、各業界の大人の都合で無理やり盛り上げているという部分があるのかもしれませんが、

ここまで、定着するということはそれなりに必然性があるのかもしれません。

 

ハロウィンの元々の起源は古代ケルトのドルイドの信仰からが由来です。

ざっくり、言うとアニミズム(自然信仰) 万物や自然現象すべてに霊魂や精霊が宿っているという世界観は日本神道に通じるものがあります。

のちに生まれたキリスト教(一神教)に駆逐され、敗戦や植民地化によって、こうした土着の信仰は先進国では、ほぼ日本を除き絶滅状態であるのが現状です。

そういった古代の精神性が都市型のお祭りとして日本の若者の間で形を変えながらも受け継がれていると考えると、ちょっぴりセンチメンタルな気分にならないでしょうか?

 

自分ではない何者かに扮し、精霊や有象無象に姿を変えて、街を徘徊することが現代人に何かしらをもたらしている。と仮定してみましょう。

広がる格差社会。先行き不安な閉塞感、行き場のないストレス

それらが、認識されることなく、深層意識の深い闇の底に封じ込められ続けている日々。

名もなき、負の感情がカタチを成すことを許される夜。

妖怪や怪物、魔女や魔法少女に・・・果ては美少女戦士に変容することで、解放されるカオスの宴。

 

正しい行いではないかもしれませんが、人々の中に闇がある限りはどこかで解き放たれる必要があるでしょう。

ガラス工芸を語らなければならない立場ですが、いつかはここに切り込んでゆきたいと思っています。

次回はコスプレについてです。

その3もあるよ。たぶん・・・・

 

 

 

 

線路は続くよ [その1]

ここ数年、仕事の合間を見て、続けてきたプロジェクトがいくつかあります。

廃熱を利用した発電

工房キャラクターを活用したウェブ上での広報展開など

ガラス工房の枠を大きく広げるであろう、ロマン溢れる企画を勝手に立ち上げて、これまで取り組んできました。

 

しかし、実際はいずれも、進展がおぼつかない状況で休眠状態のものばかりです。

大風呂敷を広げてみたものの、多くの賛同者を集めなければ、進まないという壁に恥ずかしながら直面しております。

(詳細は旧ブログでつづっております。興味のある方はお問い合わせください。)

 

その中で唯一、奇跡的に継続中のものがあります。

題して「ホビットの家☆作ってみたよ

であります。

工房横の駐車場スペースにセルフビルドで小屋を建設するという企画が

2年の歳月を経て、ようやく外観が整ってきて、形になってきました。

 

夜中にふと、「そろそろ、カミングアウトしても大丈夫だよね・・・・」

という気分になり、パシャリ!!

今回は浮かれて、ドアの部分をご紹介いたします。

 

若い女性がわんさか訪れてくれるように、キュートでラブリーなドアを目指しています。

 

今月末には設置して、改めて写真を撮りなおし、ご紹介したいと思います。

 

 

 

教室生徒募集☆特典アリ

一般の人々に広く吹きガラスを知っていただきたいという趣旨で

体験教室に力を入れておりますが、さらに深く踏み込んで吹きガラスに挑みたい方々にも

月謝制にて本格的に吹きガラスを学べる教室を開催しております。

 

当工房としては教室の門を広く、大きく開け放っているつもりなのですが、

これまでに「教室に興味があります。」と宣言した後に、「見学に伺ってもいいですか」というお電話をいただいたことは、ほぼありません。

ほとんどは体験教室の制作が終わって、お疲れ様でした~という段階で、

恐る恐る、「あのう・・・教室について詳しく、聞きたいのですが・・・・」という流れが普通です。

当工房のサイトをネットで発見してから実際に足を運んで、門をくぐるのに2年の月日を要するケースも珍しくありません。

 

そんなに険しく、狭き門ではありませんので、お気軽にどうぞ~

と言いたいところなのですが、吹きガラスという分野が特殊すぎるのでしょうか???

一般的には習い事として存在することすらも認知されていないのかもしれません。

 

もう一つ考えられる理由としては、過去に吹きガラスを学んだことのある経験者が

以前の苦い経験から、もう一度、挑戦することにためらいを感じているケースです。

 

ほとんどのガラス工房で行われている授業では生徒同士がペアになって、制作することになります。

これが多くの場合、長く続けてゆくことの障害になるようです。

指導する立場の人間としては、なるべく相性の良いパートナーを、しかも実力や年齢が近い者同士を組ませてあげたい気持ちは

あるのですが、なかなかそうも上手くゆきません。

どうしても、熟練度の違いからくる衝突や相性の善し悪しから、修行のような制作になってしまいがちです。

パートナーからの叱咤激励で落ち込んでしまうケースも少なくありません。

ガラスは好き、でも、吹きガラス教室の日が近づくと謎の腹痛に悩まされるとか・・・・・

考えただけでも、辛すぎます。

こうして、吹きガラスから遠のいてしまったという過去をお持ちの方。

ご安心ください!!!

大丈夫です。

当工房の授業では完全予約制で授業の時間内は工房スペースを貸切状態で

生徒は一人です。

生徒10人を順番に個別指導とか、いうのでもありません。

授業は一応、カリキュラムに沿って基礎から応用まで幅広くカバーしておりますが、

進むペースや授業の内容は生徒さん側の要望で大きく変わります。

きめ細かい指導が可能ですので、苦手な部分のみを納得ゆくまで、技術の習得に専念していただけます。

 

技術中心の授業内容を求める生徒さんがいる一方で、完全に余暇の息抜きとして通っている生徒さんも少なからずいます。

このあたりの事情は機会を改めて詳しくご紹介しますが、日々のあわただしい生活の中で自分に向き合い

気持ちをリセットする場として活用しているケースです。

 

ガラス溶解炉から出る遠赤外線で血行が良くなり、肩コリや冷え性が改善されたという話を聞いて

入会を決意した生徒さんもいました。

私自身、ここ何十年も風邪で寝込んだという記憶はありません。

百聞は一見にしかず!!!

というわけで、迷っている方はぜひ、一度見学来ていただきたく思います。

 

そこで、
「教室に通ってみたいな」と思いながらも、なかなか決断までには至らないというかたに
プチ・教室体験をお勧めします。

通常の体験教室よりも細かい設定で、チャレンジ志向の制作をしていただけます。

いよいよ、教室に入会したいといいうことになれば、
体験教室分の費用をキャッシュ・バックいたします。

残念ながら、考えさせていただきたいというケースでも、
密度の濃い指導が受けられます。

興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

熊谷ガラス工房 048-283-8305

お待ちしております。

 

 

 

 

 

吹きガラス [制作手順 ]

ネットのレビューで「吹きガラスの作業工程を事前に知りたかった」とのコメントをいただきました。

今回はこの場を借りまして、吹きガラスとはどういったものなのかを大まかに解説したいと思います。

まず、吹きガラスに必要な道具として一番大切なのは「吹き竿」です。

「ブロー・パイプ」とも呼ばれています。

1200℃で熔けているガラスを竿に巻き取って、形を整え、息を吹き込み器にしてゆきます。

画像を交えて、説明してゆきましょう。

ガラスが1200℃の高温でドロドロに熔けている状態で素焼きのポットに入っています。

画像中央で光っているのが、ガラス溶解炉の巻口と呼ばれる穴です。

 

これを拭き竿に巻き取ります。

きれいに、適量巻き取るにはそれなりのコツが要ります。

技術解説はまた別の機会に譲ることにして、先に進みましょう。

竿に巻き取ったガラスを作業ベンチに運び、形を整えた後に

息を吹き込みます。これが「下玉」と呼ばれる、第1層目のガラス玉です。

これを冷ました後にもう一度、ガラス玉を炉のポットの中に入れて2層目を重ね巻きします。

コップの場合は大きさは2層で十分ですが、大きな花器やお鉢などの場合は3層目を重ねて大きさを調整します。

上の画像は2層目を濡れた新聞紙を使い、成型している場面です。

最近は再生紙の比率が多くなり、新聞紙の質が落ちているため、当工房ではカーボン製の不織布を併用しています。

体験教室では様々なデザインと装飾をお好みで選んでいただけます。

色の組み合わせや色を載せるタイミング・器のどの部分に何色を載せるかによって多彩なバリエーションが生まれます。

さらに、息の吹き込み方や力の入れ具合、角度によって、風合いが変わってゆきます。

作り手が変われば、なおさらです。まさに一期一会!!

世界に一つだけのオリジナル作品に仕上がります。

色を使った装飾以外にも金型に吹き込むことで表面の凹凸を作り出し、

光の屈折でガラスならではの表現で魅せることも出来ます。

金型に吹き込んだ直後の状態です。

縦に筋が入っています。光が拡散して照明などにすると、とても映えます。

装飾が完成したら、コップの形にしてゆく作業に移ります。

息を吹き込み、大きくしたら竿元付近を絞って細くします。

ここで、登場するのが、「ハシ」または「ジャック」と呼ばれる道具です。

様々な使い道があります。吹きガラス専門の道具ですので、目にしたことがある方は少ないでしょう。

作業途中ではコップの底になる部分は先端にあります。

この部分を平面になるように、圧縮します。

やりすぎると、丈が低くなったり、側面のラインが崩れたりするので、

力の加減と角度の精度が要求されます。

ここまでで、コップの下半分の形が完成です。

この後、くびれた部分に水をほんの少量つけて、本体部分を吹き竿と切り離します。

ポンテと呼ばれる、別な竿で前後を反転させるのですが、テレビではあまり紹介されない作業なので

ほとんどのお客さんはこの場面でビックリします。

先端に空いている小さな穴を焼いて柔らかくして、道具で開いてゆきます。

飲み口の傾斜や開き加減などで、ここでも印象は大きく変わります。

何度か焼き戻しつつ、仕上がりを調整し、満足ゆく形になったら、最後は竿とコップを切り離します。

竿を叩いて、細かい振動を与えるとポロッときれいに剥がれます。不思議です。

コップ底中央の鋭利な部分をハンド・バーナーで焼いて500℃の部屋に移して作業終了です。

翌日の朝までかけて、ゆっくり常温まで冷ましたら、取り出し、完成です。

いかがでしたでしょうか。

本当に大まかな流れだけを紹介したので、不明な点もあるかと思いますが、

次回以降、部分的に解説したり、動画を交えて観てゆくことで、少しづつですが、

吹きガラスの魅力をお伝えしてゆきたいと思います。

 

ゆるふわ戦法

最近のニュースでは行き過ぎた体罰が問題となっていますね。

もちろん、体罰は問答無用であってはならないことなのですが、

以外にも「愛のあるスパルタ方式はアリ」という擁護論も根強いことに驚かされます。

ひと昔前のスポ根漫画やドラマでは鉄拳が炸裂しまくって、

涙の大団円というのがパターンでしたので、

昭和を生きた世代は「ゆとりはアカン・・・」と秘かに、感じているのかもしれません。

当工房の教室の生徒さんにも年齢に関係なく「智恵と工夫」よりも「気合と根性」が支持されるケースが多いので、

長期的なスパンでじっくり考察してゆく必要性を感じています。

成功法則は一つではないと肝に銘じて、生徒さんの個性に合わせていろんなパターンを模索しています。

そんな日々ではありますが、

この頃は必要以上に頑張らない、スマートな戦い方がマイブームです。

「ゆるふわ戦法」 (勝手に命名)が今後の新しい潮流となるやもしれないなと予感しております。

今回はこのゆるふわ」が吹きガラスの作業内容にどのように生かされるのか、解説してみたいと思います。

1000℃以上の高温で熔けたガラス素材を扱う「吹きガラス」は非日常的な特殊な環境で作業するものなので、

数ある工芸教室の中でもかなり難易度の高い習い事であるといってもいいでしょう。

 

長年通っているベテラン生徒さんであっても、調子が悪いと、ガラスを大味な加減で扱ってしまいます。

さらにはカタチに対しての執着が生まれ、手数が増えて状況を悪化させるというバッド・スパイラルに陥ってしまいます。

間違いなく、調子の悪い日は存在するのですが、

そんな時にこそ役に立つ「自分ルール」を構築して、運や体調に左右されない技術とメンタルを手に入れたいものですね。

作業時間は作る器の種類や装飾の度合いによっても変わりますが、長くても1時間が限度です。

その間、途切れずに集中力を持続させるのは至難の業でしょう。

集中力が切れてしまってからの展開は、「やる気」や「気合」といった類の即時対応ではなく、

素材に対する「共感力」といった戦略的な心構えが必要なのではないかと思います。

やんわりと流れに同調しながらも「後の先」で制するという、怪しげな高等戦法なのあります。

ガラス素材が持つ独特のクセに対して乗せる絶妙な「合いの手」が流れをデザインに沿った心地よいものとして変化させ

やがて抑揚が生まれ、最終的には作り手の意図を超えた止揚にたどり着くというのが理想です。

吹きガラスの現場を良く知らない方には言葉遊びになってしまい恐縮です。(滝汗)

やっぱり、なんだか分からないや・・・

という方は夜中にペンを握りしめて、こう叫んでみてください。

クリスタル・むーんぱうわー

メイクアップ!!

ライフゲージが高まり、キューンとなったら、

それが「ゆるふわ」の境地です。

 

2018夏の陣

連日の猛暑&酷暑、さらに熱帯夜と

このまま、永遠に続くのか???と思われた夏休みでありましたが、

はたと我に返り、カレンダーを確認するに9月に突入しておりました。

小学生時代から、何も学んでいないようにも思いますが、

理性を取り戻した今宵は、2018夏休みの日々を振り返り、検証してみたいと思います。

これまでも、夏は十分暑かったと言えるのですが、

今夏の最高気温更新を告げるニュースに多くの人が新しい時代を予感したのではないでしょうか。

夏休みのレジャーの過ごし方も例年通りとはいかなくなって来ているようです。

今年は地元の方が例年に比べて多かった印象があります。

おでかけ情報サイトや体験レジャー紹介業者を通じて、ネット予約の比率が上がっているにも関わらず、市内在住のファミリーが自転車で訪れるケースが多かったのは面白い現象です。

春に地元小学生を対象にした校外学習で訪れた子供達が夏休みに戻ってくるケースと

数年後に弟や妹を連れてやって来てくれる、ありがたいケース。

どちらも、子供の心に吹きガラスが響いた結果であると、勝手に解釈しています。

「大人になってもぷーと吹いて、ガラス作ったの覚えているかな~」

そんな言葉を投げかけると、ほとんどの子が嬉しそうに頷いてくれます。

今回は制作できずに、隣の部屋で待ってくれていた、

小さなお子さんもいつか、吹きガラスにチャレンジしてくれるでしょうか。

2002年にオープンして16年目の今年、

地元密着型のガラス工房の種はようやく芽吹き始めたのかもしれません。

「暑さ」と「吹きガラス」というマッチングは正直なところ、魅力的ではないように思いますが、

逆転の発想で何とか広く一般の方々にアピールしてゆくのが今後の課題です。