吾輩はときどき猫である その1

夏目漱石の「吾輩は猫である」はもはや説明が不要なくらいの名著ですね。

今でこそ、アニメの影響で、猫がしゃべったりはもちろん、

バスに変身したり、未来からやって来て、宿題のお手伝いまでやってくれる演出に至っても!!

「うん・・まあ、そういうこともあるよね。」みたいな受け止められ方がされるような世の中になりました。

しかし、100年以上前の当時の人々は小説の冒頭から「吾輩は猫ですが、何か問題でも??」みたいな出だしで、

猫目線で社会を風刺する

とんでも設定にあっさりと納得したのでしょうか?

調べてみると、当初は読みきりの予定だったものが好評のため、翌年まで全11回掲載に変更された人気作品だったいうことです。

その後も吾輩シリーズのパロディが世に出たということですので、実際には非常に好まれたということですね。

これは、猫に限ったことではなく、「鳥獣戯画」などに見られるように、

擬人化という様式は日本人の感性に合っているのかもしれません。

万物に個別の神が宿るという神道的なアニミズムから捉えれば、

アンパンが空を飛んでも、OK牧場です。

戦艦や戦闘機が女人化しても、萌えですから、

批判なんか出ませんよ。「南総里見八犬伝」と比べても許容範囲です。

前回の記事では

最適解が支配する近未来に対し、

対抗策を提案する!! 

と・・・・

大それた企画を立ち上げましたが、

実は日本古来の伝統様式こそ解決のヒントがあると考えております。

しばらくは、何回かに分けて詳しく掘り込んでゆきたいと思います。

そして、最終的にはここで得た気付きを生かして

当ガラス工房の新しいサービスにまで反映させる予定です。

どうぞ、ご期待ください。

最適解への絶縁状

前回の記事でケーキ屋さんを取材して大いに刺激を受け、今後の工房運営の指針になる気付きを得ることが出来ました。

しかし、今後のガラス工芸やマーケットについて冷静に熟考しているうちに・・・

なぜか、もやもやしたものが湧き上がってくるのでした。

伝統工芸の世界に身を置くものとして、職人としての王道を行くことに何のためらいがあるのかと不思議に思うかもしれませんが、現代の変革期において、どちらの側に舵を切るかは大問題であります。作家としての命運が大きく変わるといっても過言ではありません。

今回は主に自分自身に向けての防備録として現時点での考えをまとめてみたいと思います。

工芸の世界からしばし、離れて歴史を数百年ほど遡っていただきます。

時は戦国時代 天正3年5月21日(1575年6月29日)

騎馬で名高い武田勝頼軍1万5千 対 織田徳川軍3万8千との長篠の戦です。

かつて、学校で習った3千丁もの鉄砲を使った3段撃ちはその後の研究で現実的ではないとの解釈が主流であるようですが、世界史から観ても、火縄銃の伝来から製造、実戦導入までの流れは特筆するものがあります。

この戦い以降の戦術が大きく変わるきっかけになったのは間違いありません。

鉄砲隊に対して騎馬隊が突撃を繰り返し、当代きっての名だたる武将がこの戦いで命を落すことになるのは象徴的です。

何世代にもわたる「技の研鑽と武人としての尊厳」

「経済力と鉄砲」という新しいテクノロジーにあっさりと屈服してしまった戦いという位置付けが自分の中では根強く残っています。

パティシエで例えてみましょう。サクサク、ふわふわ、しっとり 素材感の異なるミルフィーユ状の生地を垂直にきれいに切断する技量と穏やかな人柄に加え、地元の有機栽培の食材が看板です。

一方、大手食品会社は高速振動ブレードを導入し、24時間連続稼動の最新設備。

これに加えて、グルテンフリーだの稀少糖などの新しい食材を大々的に宣伝、自社が持つ物流網での全国展開の波状攻撃。

足袋屋がスポーツシューズを作るとか下町工場がロケットを飛ばすとかは正直、大好きなのですが、個人の信念と粘り強い突撃に勝機はどのくらいあるのかと想像すると、気分がとても重くなるのです。

文化としての価値や消費者の趣味趣向が加わるので、日本刀がソニックブレードに勝つことがあるかもしれません。

しかし、今後のAIが導入されたIOT社会においての世界企業が作るルールの中で個人商店が勝ち続けることが出来るのか、本当のところ、どうなのでしょうか??

絶対的な悪が存在できなくなった社会でありますので、絶対的な正義も同時に存在できなくなってしまいました。ですから、こんな二元論で展開していること自体がズレているのでしょう。

そこで、ちょっと視点を変えてみます。最新の人工知能は入力からの演算とかいう生ぬるいものではなく、24時間365日オンラインでAIスピーカや携帯端末から情報収拾し学習し続ける、人類の集合知になりつつあります。こうなると最適解であるのは当然で、やがては未来予知に限りなく近いものなるかもしれません。

非常にけしからん例ではありますが、富士山ロープウェイなるものができたら、

インバウンド需要が増加するでしょう。経済は絶好調!便利で豊かな社会でありますので、異論はあっても反論なんてもんはないでしょう。

でもね。けしからんのですよ。

自分としては。全くもって、けしからん・・ぷんぷん!!

けれども正しいのが世の中です。

ここまでくると、善悪や勝ち負けではなく、

急速に収束しようとするブラックホール

最適解という名の「可能性の死」からの生還という新たなベクトルが見えてきました。

もっと愉快でフラチな生き方で、のらりくらりと最適解から逃れてみせましょう。

さて、具体的な戦略、戦術は次回にゆずります。

鳩ヶ谷グルメ(その1)

鳩ヶ谷グルメと題して工房近辺にある飲食店を紹介してまいりたいと思います。

まずは第一弾として、当工房より数百メートルという超ご近所さんです。

フランス菓子アニック

334-0013

埼玉県川口市南鳩ヶ谷5-19-26

TEL048-286-4600

営業時間AM10:00PM6:30

定休日月曜日・火曜日

埼玉高速鉄道_南鳩ヶ谷駅徒歩5

パティシエの渡辺和昭さんは銀座和光の初代シェフを務められた方だそうです。

フランスの有名店で修行もしているという輝かしい経歴の持ち主ながら、

ご本人の口からは宣伝に使えそうな華やかなワードが語られることはありませんでした。その理由が「食べれば、分かるから。」

表面的な成功ではなく、お店に通う、お客の笑顔で評価されるべきだという信念と自信から出ている言葉のように感じられました。

ケーキの上に添えられている砂糖菓子も自身で作っていると思われます。砂糖菓子なので当然、

そのようなものを予想して口に含んだのですが、驚くほど控えめな主張でサクッと優しくとける不思議な食感がしました。

スポンジ生地やクリームもすべてがきめ細やかでありますが、素朴な風合いでまとまっています。

甘さ控えめであっさりと軽いので、余裕でもう一個食べられそうですが、

このくらいが小さなお子さんや、お年寄りにはちょうど良いのでしょう。

効率や原価、収益性などからは対極にあるかのような、

経営姿勢で1990年10月の開店から以来28年間、定休日も基本的には材料の仕入れや準備のために厨房で働き、

フランス菓子を追求し続けています。

現在もナイフの入れ方一つにしても向上し続けているそうです。

事業規模を拡大することなく、お客様の顔が見える範囲で現場に立ち続けている姿勢に頭が下がります。

機会があればぜひ、一度足を運んでいただきたく思います。

大いに良し

先月のGW中にウェディング関連の制作が続いて、不思議なこともあるもんだと、勝手に
理由を想像しておりましたが、
今、振り返るとウェディング・シーズンとして5月は最適な気候とタイミングだったのですね。

ワイングラス製作がほとんどでしたが、その中にウェディング・ナイフを製作していただいたお客様がいらっしゃいました。
先日、新婦のお友達の女性から、結婚式での写真と合わせて、丁寧なお礼のメールをいただき、さらに快くブログ掲載の許可をいただきましたので、ご紹介したいと思います。
ウェディング・ナイフは数年前にお客さんから、「何とか自分で制作できないか」とのご相談をいただき、その時は苦心しながらも、

新郎新婦の熱い想いに応えようとチャレンジしたのがきっかけです。

その後も依頼があれば、制作を続けてきました。
お客様の人生において大切なイベントになりますので、絶対に失敗できない重圧と納期に間に合わせなければならないプレッシャーとで、胃に負担がかかりますが、

それ以上にお客様の喜ぶ顔を見ると
「いい職業だな・・・・」としみじみ思います。

さて、前置きが長くなりましたが、制作の様子を順を追って説明いたします。

今回は新婦のお母様が制作を担当されました。ナイフの柄の部分を作って頂きます。

制作時はものすごい真剣です。

すごくユーモアのあるお母様で新婦のお友達ともすごく仲良く、楽しそうにしていたのが印象的です。

後日、ブレードに相当する部分を削り出し、磨き上げる作業に入ります。


加工機も多少は使いますが、振動で欠けたりしたら、一大事ですので、ほとんどの作業を手作業で行います。
無理せず、毎日コツコツやるのが大切です。
何かの修行みたいですね。

お二人の名前と日付をサンドブラストして完成です。


サイズに合わせて桐箱を注文して、中敷を製作、梱包からお引渡しまで、気を緩めることが出来ません。
それでは、実際の式場での様子です。


お母様からのビデオメッセージとウェディング・ナイフ制作シーンが映像で流れたそうですので、
最高の演出になったのは間違いありません。


私も先日、この映像を観させていただいたのですが、娘を嫁がせる母親の心情がすごく伝わってきました。

涙涙の感動のセレモニーは、お二人にとって一生の宝物となることでしょう。

バブル時代の豪華な食事と盛大な演出で盛り上げるスタイルではなく、

こうした心のこもった きらりと光る 

誠実なウェディングが今後の若い世代の主流になるのかもしれないなと思いました。

当事者が主役となれるような手づくり感溢れるお祝いの在り方に少しでもお役に立てるなら幸いです。

最後にお二人の末永いお幸せをお祈りすると共に制作の際にご協力いただきましたこと感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 

 

三方良し その後

ブライダル制作の記事を書いたことがきっかけになったかは不明ですが、

ウェディング関連のお客様に3日連続で制作していただきまして、正直なところ驚いております。

今回は結婚10周年のお祝いに奥様にプレゼントしたいというご要望で、ワイングラスを制作していただきました。

その様子をお伝えします。

まずは豊富なサンプルの中から、装飾とデザインを絞り込んでいただきます。

次に色ガラスの見本を合わせながら、3色お好きな色の組み合わせを選んでいただきます。

色によって、柔らかい色や硬い色、様々です。

熱した時の素材感は色ガラスに含まれている鉱物の特色によって変わります。

同系色を選んでいただけば、問題ないのですが、やはりお好きな色を選んでいただくのが一番いいかもしれません。

最終的なデザインを決定します。

こちらの4色に決まりました。

練習を兼ねて、実際に使用する色の組み合わせで箸置き制作をしていただきました。

シンプルな作業内容ですが、かなり真剣です。

計3色の色を使い、グラデーションを演出しました。

金型に吹き込むことで、縦筋の凹凸を付けます。

光が拡散することで、色それぞれが引き立ち、キラキラ感が倍増します。

上の写真は別な方の制作例です。

単色で気泡を入れる装飾でのケースです。

手作り感を全面に出すために泡を希望されるお客様は多いです。

琉球ガラスの影響かもしれません。

吹き竿から前後を反転させて、ポンテと呼ばれる竿に移し換えた状態です。

先端に小さな穴が開いているのですが、これを広げることで飲み口になります。

3日間で3組、計6個の制作になりました。

予想以上の需要があることにびっくりしております。

今後も商品開発を続けて、少しづつですが、お客様の満足度を向上させてゆきたいと考えております。

天才キラーズ

世の中には努力では埋められない領域がある

という結論に至るまでにどれ程の年月が必要だったでしょうか。

自分の能力を客観的に評価しようと努力するほど、そして知識と経験が増すほどに、どうしても自己評価は低いものになってしまいがちです。(ダニング=クルーガー効果)

自分自身が誰よりも正確に結果に至るまでのプロセスを把握しているからこその認識なのだと思います。

もちろん、異論も多数あるかと思いますが、多様性が認められた現代社会であるからこそ、敢えてここからスタートすることで見えてくるものがあるかと思います。

一方、天才と呼ばれる人たちは独特な観点と豊かな創造性で大多数の一般人が求める過程をすっ飛ばして、あっさりと成果を出してしまいます。不幸なケースだと周囲の人の理解が得られず、変人扱いされてしまうこともあるかもしれません

しかし、近年では本来、天才と呼ばれるべき人材の神秘性と希少性が失われつつあるように個人的には感じています。

アスリートであれば、  

どんなに天性の才に恵まれていても、どんなにすごい偉業を達成しても日常的にメディアで繰り返し報道され、ネット上では不特定多数のコミュニティーで幾度となく議論されることで体系化されてしまいます

さらには結果に至るまでの波乱万丈のストーリーと心情がSNSなどで克明に発信されることで共感性を獲得し、だれもが納得する裏打ちのあるものとして受け入れられてしまいます。

これでは「すごい人ではあっても天才ではなくなってしまうのではないでしょうか。

そして、これに人工知能が加わることで、天才は近い将来には絶滅危惧種になってしまうことが予想されます。

勝手な妄想でシュミレーションしますと

コンピューターの超高速「情報処理能力」とAIスピーカーや画像認識技術を通して人々の会話&情報を双方向でインプット、アウトプットできる「集合知」

そして、各界の達人や職人の動きを正確にトレースできる「匠の技」としてのロボットアーム、それらすべてが合体すると・・・・

もはや個人では到底太刀打ちできない人智を超えたスーパー・サイヤ人みたいな存在が降臨してしまうでしょう。

人間の価値って・・・どうなっちゃうの??

とちょっぴり不安になってしまいます。

しかし、敢えてここで「オラ、なんだかワクワクしてきたっぞ」と言わせていただきたい。

自分は決してすごい人ではないし、創造性や共感性そして再現性をもAIに取られてしまってもそれでも凡人として楽しく愉快に生きていけるがあります。

それは自己表現」が優位性を発揮する優しい世界です。

合理性や利便性から解き放たれた「はんどメイドの非日常空間で・あります。

いらっしゃいませ~♪

ヘタクソでも、拙い技術でも子供でも大人でも全く問題ありません。

天才がいなくなったのちにはグレートな凡人達のパラダイスを構築できるのです。

さあ、ジャイアン・リサイタルの宴を開催いたしましょう。

観客であり、ステージにも上がるのはもちろん

あなたです。

三方良し

先日、素敵なカップルが結婚式でご両親にプレゼントするためのワイングラスを当工房で制作しました。

さらに、ワイングラスのフット部分にお互いのイニシャルと日付をサンドブラストで彫り込む作業を後日改めて行いました。

今回はその様子をお伝えします。

[作業内容]

まずはワイングラス底に既にカットが施してあるマスキング・シートを貼り付けます。

文字以外は完全にビニールテープなどで覆い、露出している部分を無くします。

マスキング・シートの上から圧縮した空気と砂を吹きつけガラスを削ることですりガラス状にします。

テープをはがし、きれいに洗浄すれば完成です。

作業そのものは簡単ですが、なめらかな曲線にカッチリとした文字が入るので、完成度がグッとアップします。

そもそも、ワイングラスを体験製作できる工房が他にあるのか??

詳しくは不明ですが、お客様のリクエストから手探り状態から初めて工房オープンから16年目、現在も進化を続けております。

おかげさまで、こちらからも様々な提案をさせていただくこともできるようになりました。

もちろん、既製品のように薄くカッチリとした造形にはなりませんが、自身の手で作り、感謝の気持ちをかたちにするということに、大きな意味があるのかもしれません。

式場でのセットプランで花束贈呈を組み込むと、3万円程度の予算になるそうです。

これをワイングラスに名前やメッセージを彫り込んで、桐箱に入れて、さらに梱包をして綺麗に仕上げても十分に予算内収まり、しかもお釣りがでます。

もしかしたら、「自分らしく演出&コストダウン」という事例増えれば、もっとたくさんのカップルが挑戦したいなと思う時代が来るかもしれません。

まさに「売り手良し、買い手良し、世間良し」のWinWin商品なのではないでしょうか。

近代までのライフスタイルの中には衣食住の家事全般に手先を使い、体を動かしながら物を作るという作業が多く含まれていたように思います。やがて、豊かさの限界を求めるあまりに仕事は細分化、分業化されて大量生産そして大量消費の時代へと推移してゆきました。

現代の都市生活では、その気になれば、一歩も家から出ずとも暮らしてゆけるほどのサービスが提供される便利な時代となりました。

しかし、一方では「自らの手を使って、作る喜び」を多くの人々が求め始めているような変化の兆しを感じます。

当工房では

生産者と消費者の溝を埋めて共に感動を分かち合う関係を築きたいという想いからお客様自身での制作のお手伝いにこれからも力を注いでゆきたいと思っています。

 

ラスクのココロ

当工房の吹きガラスの教室の生徒さんの多くはカリキュラムに沿った授業から外れて、それぞれの課題に取り組んでおります。

もちろん、初級クラスの方は基礎技術を学ぶために最初はカリキュラムに沿って進みますが、ほどなくして自らの道を模索し始めます。

数あるジャンルの中から吹きガラスにチャレンジしようと思い立ち、実際に門を叩いた方々ですので、個性豊かであるのは当然かもしれません。

課題はそれぞれの生徒さんの興味や技の習得度合いによって非常に幅があります。

その中でベネチアン技法に熱心な生徒さんがいます。

彼女はレース棒を使用する装飾方法でここ数年制作を続けているのですが、ある問題に困っております。

それは結構な量のレース棒の端切れが使われることなく蓄積され続けていることです。

 

一枚目画像が好ましい状態のレース棒です。2枚目画像が端切れです。

捨てるにはあまりにも惜しく、使うにも迷い多く、とりあえずは先送りという保留案でしのいできましたが、

ついに年が明け、そろそろどうにかしないとマズイよね・・・という見解にたどり着いたのでした。

我が家の冷蔵庫にも食材達が永久凍土の底で休眠しております。きっと我が胃袋に収まるのを心待ちにしていることでしょう。

このような経緯でついにリサイクル事業に着手することとなりました。

ラスクの話じゃないの??とがっかりされていた皆様、お待たせしました。

ようやく、ここで満を持してラスクの登場です。

ひと昔前までは、硬くなったパンを工夫して2度焼きした子供向けのおやつ程度と恥ずかしながら認識しておりました。

しかし現在は、売れ残ったパンを焼き直すなどという扱いではなく、専門店がラスクのために特別に配合した生地とオーブンで焼きあげるという超VIP待遇でのおもてなしを受け、今をときめく贈答品界のエリートに進化を遂げたのでした。

いい話ですよね。うーん・・じわりといい話です。

吹きガラスの技術は正直なところ、幾世代もの研鑽と数千年の時の流れの中で積み上げられたものですので、一世代で大きく進化させることは容易なことではありません。

もし、現代の作家にできることがあるとすれば、その時代のニーズと感性にマッチした表現にアレンジすることなのかもしれません。

そこで、打ち捨てられそうになっているパーツでの再構成で制作はしますが、最終的にはリサイクル品という枠を超えた新たな表現方法としての地位を確立できるように鋭意制作に励んでおります。

ベネチアン技法本家の手間ほどはかけておりませんが、B級感を感じさせない味のある

仕上がりになってきております。

コストパフォーマンスの追求という観点では素晴らしい展開が期待できそうです。

いつかこの路線の作品のためにレース棒を製作する日が来るかもしれません。