最近のニュースでは行き過ぎた体罰が問題となっていますね。
もちろん、体罰は問答無用であってはならないことなのですが、
以外にも「愛のあるスパルタ方式はアリ」という擁護論も根強いことに驚かされます。
ひと昔前のスポ根漫画やドラマでは鉄拳が炸裂しまくって、
涙の大団円というのがパターンでしたので、
昭和を生きた世代は「ゆとりはアカン・・・」と秘かに、感じているのかもしれません。
当工房の教室の生徒さんにも年齢に関係なく「智恵と工夫」よりも「気合と根性」が支持されるケースが多いので、
長期的なスパンでじっくり考察してゆく必要性を感じています。
成功法則は一つではないと肝に銘じて、生徒さんの個性に合わせていろんなパターンを模索しています。
そんな日々ではありますが、
この頃は必要以上に頑張らない、スマートな戦い方がマイブームです。
「ゆるふわ戦法」 (勝手に命名)が今後の新しい潮流となるやもしれないなと予感しております。
今回はこの「ゆるふわ」が吹きガラスの作業内容にどのように生かされるのか、解説してみたいと思います。
1000℃以上の高温で熔けたガラス素材を扱う「吹きガラス」は非日常的な特殊な環境で作業するものなので、
数ある工芸教室の中でもかなり難易度の高い習い事であるといってもいいでしょう。
長年通っているベテラン生徒さんであっても、調子が悪いと、ガラスを大味な加減で扱ってしまいます。
さらにはカタチに対しての執着が生まれ、手数が増えて状況を悪化させるというバッド・スパイラルに陥ってしまいます。
間違いなく、調子の悪い日は存在するのですが、
そんな時にこそ役に立つ「自分ルール」を構築して、運や体調に左右されない技術とメンタルを手に入れたいものですね。
作業時間は作る器の種類や装飾の度合いによっても変わりますが、長くても1時間が限度です。
その間、途切れずに集中力を持続させるのは至難の業でしょう。
集中力が切れてしまってからの展開は、「やる気」や「気合」といった類の即時対応力ではなく、
素材に対する「共感力」といった戦略的な心構えが必要なのではないかと思います。
やんわりと流れに同調しながらも「後の先」で制するという、怪しげな高等戦法なのであります。
ガラス素材が持つ独特のクセに対して乗せる絶妙な「合いの手」が流れをデザインに沿った心地よいものとして変化させ、
やがて抑揚が生まれ、最終的には作り手の意図を超えた止揚にたどり着くというのが理想です。
吹きガラスの現場を良く知らない方には言葉遊びになってしまい恐縮です。(滝汗)
やっぱり、なんだか分からないや・・・
という方は夜中にペンを握りしめて、こう叫んでみてください。
クリスタル・むーんぱうわー
メイクアップ!!
ライフゲージが高まり、キューンとなったら、
それが「ゆるふわ」の境地です。